私記

「半映半農」日記【1】

植物・農作物

種まき 畑仕事

作業日:2020.8.16
天気:晴れ、やや曇り、夕方雷雨の予報

主な作業:人参と木曽紫カブの種まき


映画づくりと畑仕事は、私にとって大切な仕事です。互いにそれぞれの仕事を支え合っている関係だと思っています。これからそれらについて少しずつ書き続けたいと思っていますが、たまには、読んだ本のことや旅で訪れた町についてなど映画や畑仕事に関係のないことも気軽に書きたいと思っています。


夏野菜の収穫もピークを過ぎ、そろそろ秋冬野菜に向けて仕事をする時期を迎えています。お盆をすぎると、なんとなく日差しも変わり、聞こえてくる虫の音も変わってくるようです。依然として、暑いことには変わりありませんが少しずつ季節は進んでいるようです。今年は、7月中ずっと雨が降り、ほとんど陽が畑に届くことはなく、夏野菜が育つかどうか心配でした。ただ、結果としては収穫時期は遅れたものの、それほど悪いものではありませんでした。固定種のトマトやキュウリは今年始めて作りましたが、出来が良く、来年は量を増やしてたくさん作りたいと思っています。そのため、自家採種にも取り組み始めました。うまく育つかどうか。来年報告したいと思います。


それにしても固定種のトマトやキュウリの旨味の乗った美味しさにびっくり。「ああ、昔、食べたトマトはこんな味だったなあ」と懐かしくなりました。一方、ナスは苗が十分に成長せず、収穫量も少なく、実も大きく育ったとはいえず、課題が残りました。ナスは結局苗を買って植えましたが、他の夏野菜は全てタネから育てました。私みたいな「新米にわか百姓」には、野菜を育てていてもわからないことだらけです。昨日まで元気だった夏野菜の葉が翌日には茶色く枯れ始めたり、青いまま萎えたりしてもどうやって対処したら良いのかわからないのです。失敗しながらひとつひとつ学んでいくより他はありません。


インゲン豆の残滓を片づけ、畝を整えて秋冬野菜の種を蒔きました。畝の両脇の溝には人参を、真ん中には木曽紫カブの種を蒔きました。昨年は人参の出来がよくなかったので今年はどうなるか心配です。木曽紫カブは初めての挑戦です。


人参とカブの混植は相性がいいようです。夏野菜ではトマトとバジルや生姜、ナスと枝豆や落花生などを混植しました。トマトは乾燥を好む野菜ですが、バジルや生姜は比較的、水を好む植物です。今年のように雨ばかり降っている時はトマトには水分が多すぎますが、バジルや生姜が余計な水分を吸収してくれるそうです。野菜の中で栄養分を多く必要とするナスには、豆類の根につく根粒菌が成長の糧になるようです。


ところでカブの種は、ばら撒くだけで覆土はしなくていいそうです。種を撒いた後は人参もカブもしっかり踏みつけることが秘訣のようです。土中に含まれている水分で発芽を促すためのようです。しっかり踏みつければ水をまく必要もないそうです。ちょっと不安ですが実験してみます。結果はいかに。幸いにも、夕方から雷雨になるようなので、天水の恵みが助けてくれるかもしれません。


写真を見ると、私の足跡はアームストロング船長に負けない含蓄のある造形をしていると思います。光の具合のせいか、どこか哀しみが漂っているようでもあり、足跡にしては表現力が豊かでなかなかの演技派です。「ペーソスを醸した足跡」とタイトルを付け、写真展に出したいぐらいです。冗談ですけど。

【追記】人参も木曽紫カブも全然芽が出ず、失敗したようです。なかなかうまくいかないです。2020.9.11

写真

カブのタネを踏んだ跡
一歩どころか、何度も何度も踏みつけている。
カブのタネ
さて、何粒見えますか。私は3粒、見つけました。
人参とカブの畝
奥に見えているのは、ブラジルミニという固定種のミニトマト。その下にはバジルを育てている。
2020/08/16 (最終更新:2020/09/11)

由井 英さんの投稿