コンセプト

地域の記憶を記録する。

問いかけと試み

人は競い合うことなしに、進化できないのだろうか。
生き物に備わっているという「自ずと棲み分ける」原理を人知れず働かせてみたい。

峰たたえ|長野県茅野市

映画「ものがたりをめぐる物語 後編 再び地上へ」より

大切にしたい四本の柱

一の柱:作品を直向きに作り続けている作り手を支えたい。

私たちは作り手が「作品の価格(売値)を自ら決める」ことを大切にしていきます。なぜならば「価格をつけること」も、作品の表現に含まれると考えるからです。 これまで作り手はそうした表現を他者に委ね、手放してきました。それによって良かれ悪しかれ作品の価値が一人歩きすることになりました。

作り手は売値も考え、作品の価値を世の中に問うべきだろうと思います。もし、そうした作り手の気持ちに購入という行為によって応えてくれる人が現れれば、そこには商いに基づく新たな信頼関係が生まれてくるはずです。結果的にそうした関係性が作り手の創作活動を継続的に支えていくことになるのではないかと思うのです。

二の柱:作るだけでなく、届けていくこと

私たちは、「作品がいつどこで初公開されるのか」という価値に重きを置きません。そうすると、作品が時と場に消費されてしまうからです。作品は何をきっかけに観たい、読みたいと思われるのか、誰にもわかりません。だからこそ、いつでもどこでも作品を鑑賞できる場が大切になります。そう考えると、作り手にとって大事になることは、作品を作り続けることだけではなく、届けていくこと。届ける仕事を人任せにしないことだと思います。つたなくても、「必ず誰かに届く」と信じて真心を込めて、まずは自らが作品を届けることではないでしょうか。

投稿「告知」は、作り手が作品を届けていく場です。作り続け、届け続けることによって、やがて作品は最も適した時と場と人々に歓迎されるのではないでしょうか。

三の柱:地域に貢献したいという思いが感じられる作品を応援したい

作品は全て地図上の各地域に分類されます。それは私たちがHomeTownNoteで最も大切にしている機能です。 人は、人との間に「空(くう)」を置くことによって返って強く結びつことができると思います。空とは、神や仏、自然や風土であり、HomeTownNoteの場合は地域です。   

四の柱:みんなで“隠された魅力”を発掘し合う目を養いたい

HomeTownNoteの「ポイント」は自分のために使うではなく、人に贈るために使います。ポイントは投稿記事を書いたり、作品を購入したり、他の会員に寄付することで1ポイントずつ取得することができ、「地域遺産ポイント」や「応援するねポイント」として他の会員に贈ることができます。

あなたが貯めたポイントを他の人にプレゼントすることによって、多くの人の関心がこれまで埋もれていた作品や作り手、地域に寄せられるようになることを願っています。  

念仏講|川崎市宮前区

円座し、数珠繰りする人々の真ん中に「空」が存在する。

メッセージ

私たちが住んでいる村や町では、新しい命がこの瞬間にも力強い産声を上げて誕生している一方で、掛け替えのない命がこの世の人々とこの世を超えた存在に見守られ今生を終えようとしている。

私たちの足元の大地やアスファルトの下には、数千年、数万年に渡って暮らしを紡いできた先人たちが眠っている。その多くは、自らの暮らしを文字で表すすべを持たず、言葉で流暢に語ることもできず、それゆえ歴史の表舞台に立つことがなかった。必然的に、彼らは誰からも注目されなかった。しかし、そうした「名もなき人びと」こそが人の命をつなぎ、家族を守り、村や町の歴史を作り、社会を発展させてきた。それにもかかわらず私たちは、「名もなき人々」が何代もかけて風土と対話しながらその身に宿してきた「人類の叡智と物語」を失いかけている。

HomeTownNote(ホームタウンノート)は、「名もなき人びと」の「声なき声」に耳を澄ませ、足跡を辿り、作品に作り上げて残し、未来へ語り伝えていく場です。縁あって今暮らしている村や町に生まれ育った人自らが足元の地域を掘り下げ、ひとりで地下をめぐり、暗闇の中から何かを掴んで記録し、それを手にして再び地上に這い上がり、山から上る朝日の如く発信し、遂には温もりのある陽光の下で「互いに顔を合わす」信頼関係を築いていく、そうした創造的な仕事を目指しています。

これまでとこれからを今、私たちが繋いでいく。

由井 英
HomeTownNote 代表・映画作家

太陽柱|八ヶ岳

映画「ものがたりをめぐる物語 後編 再び地上へ」より