私たちが住んでいる村や町では、新しい命がこの瞬間にも力強い産声を上げて誕生している一方で、掛け替えのない命がこの世の人々とこの世を超えた存在に見守られ今生を終えようとしている。

私たちの足元の大地やアスファルトの下には、数千年、数万年に渡って暮らしを紡いできた先人たちが眠っている。その多くは、自らの暮らしを文字で表すすべを持たず、それゆえ歴史の表舞台に立つことはなく、誰からも注目されてこなかった。しかし、そうした「名もなき人びと」こそが人の命をつなぎ、家族を守り、村や町の歴史を作ってきた。それにもかかわらず私たちは、「名もなき人々」が何代もかけて風土と対話しながらその身に宿してきた「人類の叡智」を失いかけている。

HomeTownNote(ホームタウンノート)は、「名もなき人びと」の「声なき声」に耳を澄ませ、足跡を辿り、形にして残し、伝えていく場です。いま自分が暮らしている地域を記録し、未来につなげていく場でもあります。 縁あって今暮らしている村や町に生まれ育った人自らが足元の地域を掘り下げ、ひとりで地下をめぐり、暗闇の中から何かを掴んで記録し、それを手にして再び地上に這い上がり、山から上る朝日の如く発信し、遂には温もりのある陽光の下で「互いに顔を合わす」信頼関係を築く創造的な仕事を目指しています。

これまでとこれからを今、私たちが繋いで行こう!

映画作家 由井 英