梶の葉に、子規の句

場所:長野県諏訪市

記憶:令和(2019〜)

手仕事・技

八劔神社 正岡子規 七夕 和紙 神紋

久しぶりに信州諏訪の八劔神社宮司、宮坂清さんを訪ねました。長らく時間がかかってしまった私たちの新作映画「ものがたりをめぐる物語」が完成したことを神前にご報告するためです。そういえば、この作品で一番最初に撮影したシーンは「御渡り」でした。映画の仕事始めに八劔神社の神前で祈祷し、撮影に望んだことを今でもよく覚えています。

 

今回も神様に映画完成の報告をさせていただいたあと、いつものように宮坂宮司と四方山話を交わし合いました。話はいつしか、諏訪大社の神紋である梶の葉に及びました。すると、宮坂宮司がおもむろに硯と筆を持ち出し梶の葉の面に筆を走らせ始めたのです。

 

あかつきの 静かに星乃 別れかな

子規

 

正岡子規が読んだ七夕の句だそうです。私たちが宮坂宮司を訪ねたのもちょうど七夕のころ。そうした機会を捉えて滑らかに子規の句をしたためる教養に驚かされますが、宮坂宮司の真意はそこにあらず。そうしたことをひけらかす方ではありません。

 

実は梶の葉には「墨がよく乗る」ことを教えてくださったのです。確かに葉の表面を撫でると細かな柔らかい毛が感じられ、なんとも気持ちがいい。これなら墨がうまく吸収されるだろうなと納得するような葉っぱです。それもそのはず、梶はクワ科コウゾ属。和紙に使われるコウゾの仲間と考えると合点がいきます。

 

しかし、こうも綺麗に墨が乗るとは、驚きです。

写真

八劔神社宮司 宮坂清さん
正岡子規の句
見て! この墨の乗り
2022/07/21 (最終更新:2022/07/23)

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