長い冬を越えて、やっとイギリスは美しい季節になりました。
冬の間は空が毎日灰色、9時ごろやっと明るくなり4時すぎには暗くなってしまうので人々気分にも相当影響が出ます。落ち込んだり、人間関係がギスギスしたり、保育園の子供たちも外に飛び出した途端に寒いと言って泣いて戻ってきたり・・自分たちがコントロールしづらい部分でもあります。何とか楽しいことを見つけて気分を盛り上げよう、という結果が9~10月頃から盛り上がってくるクリスマスの行事でもあるのかな、と思います。
植物たちにとっても、日照時間が短く、気温が低い期間が半年続くという環境にさらされるのは厳しいはず・・だからこそ、この春の美しさは自然全体の喜びの光景にも見えます。
最近、ホームタウンノートで学生さんたちの一枚の畑の投稿を見ていて、若い世代の人たちが農業や自然について熱心に学んでいる様子に感心しています。私は東京で生まれ育ちましたが、千葉の内房に実家がある農家出身の父と、漁業が盛んで自然に囲まれた岩手の大船渡出身の母(母の実家の家業は南部鉄器の鈑金業だったそうです)のおかげで、休みごとに自然の多い田舎に遊びに行っていました。私の自然へのあこがれや関心も、あの体験があったからこそかもしれないと感謝しています。
ここイギリスでも、アロットメント(Allotment)という市民農園のシステムがあり、私も実は半年前に登録してみました。まだ空き待ちなのですが、そのうちイギリスから一枚の畑レポートができるかもしれません。私は初心者なので最初は失敗ばかりだと思いますが、ちょっとした楽しみになっています。
さて、何か面白い投稿をしたいとずっと考えていたのですが、私の行動範囲が地元にとどまっているので、近所にある農場を娘たちを連れてお散歩した時の写真を載せようと思いました。麦畑が青々と涼しく爽やかで、もうひざ丈ぐらいまで伸びていました。今年ももうすぐ6月になりますが、もう少し色んなことを投稿していけたらと思っています。
ヨーロッパ イギリス、ハートフォードシャー
2025/06/08
美惠子様
哲学者の多さが冬の暗さとリンクしているのは面白いと思いました。昔は長い冬には本を読んだり物書きをしたりして過ごす人が多かったのでしょう。今はテレビやインターネットに時間を費やしてしまう人も多いような気がします。文明のおかげで進化することもあると思いますが、現代社会においては人間が考えることを止めて退化することもあるのかな、と思ってしまいます。
イギリスのガーデニングは有名ですが、自然のままにしているガーデンより、美しい花が一度咲き終わったらすべて即総入れ替え、みたいなところも沢山あります。この間きれいに咲いていた花壇が数週間後に真っさらになり、また新しい花が植えられて・・という感じです。ガーデンセンターはあちこちにあり、庭仕事の道具などはすぐに手に入ります。
私も農地が少しもらえるようになったら、色々勉強してみたいです。世田谷の実家の周りの畑は全部マンションと駐車場になってしまいましたが、ささらプロの「一枚の畑」で由井くんが自然農法を実践されて、さらに学生さんたちの学びの場となっていることは素晴らしいことですね。またいつか帰国した際には、畑を見に行きたいです。