※ この文章は、諏訪のたねプロジェクトが、クラウドファンディング(レディーフォー)【➡】に挑戦した「活動報告」です。たねプロの記録として残しておきたいという思いから、「私記」として、ここに投稿します。
麻衣子さんから、「支援金額のスタートは1万円からですか? 改めて思ったのですが、私の周りから呼びかける場合、少しハードルが高いかも...」というような問いかけがありました。
「確かにもっと低く設定した方が良かったかも...」と私も内心で思いました。そういう内輪の意見を聞くと、私たちのプロジェクトに訪問した会員の中にも、内容に賛同しても、支援金のスタート額をご覧になって躊躇し、結果的に離脱した方もいたのではないか、という気にもなってきます。そこで...
支援額のスタートをなぜ1万円にしたのか、について
私なりの考えをお伝えしたいと思います。
いくつか理由(言い訳?)はあるのですが、以下の三つに絞りました。
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(1)数を取るか、価格を取るか
(2)募集期間とall or nothing型
(3)参加費との兼ね合い
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(1)数を取るか、価格を取るか
私のようにクラファンビギナークラスの人(今回が初めてです)にとって、支援額を抑えて多くの方々の支援を得るのか、あるいは、価格を高めに設定し数少ない支援者を得るのか、そのどちらを選択するかによって道が大きく分かれると思います。
私たちのプロジェクトの目標額は30万円です。仮に支援額1万円プランのみを元に計算すると、30名の支援者が必要になります。支援額を5,000円、3,000円にすると、それぞれ60名、100名が必要になってきます。ビギナークラスの人にとって、それだけの支援者の賛同を得るためには、どれだけ周知すれば良いのでしょうか。想定する支援者の数倍の周知では効かないかもしれません。
単価を上げれば離脱者が増えていく可能性は高まります。せっかく、プロジェクトに賛同頂いても、単価が高いがゆえに離脱されてしまったのであれば、そもそもの賛同者が「数として見えない」ことになり、プロジェクトにとっては大きな損失です。
それらを両天秤にかけて、バランスが保たれる中心点を探る必要がありますが、ビギナークラスの私にとってそれを測るのはかなり難しい。結局のところ、支援額のスタートをいくらにしたら良いのかという、最初の問いに戻されてしまい、頭の中がぐるぐるします。
(2)募集期間 all or nothing型
私たちのプロジェクトの支援募集期間は27日で、All or Nothing型になります。募集期間についていえば、比較的短期間のプロジェクトに分類されると思います。募集期間が短いからといって、成功しないわけでもないし、仮に長くてもうまくいかない場合もあるそうです。そうはわかっていても、プロジェクト実行者の側からするとできるだけ時間に余裕がある方が、やはり安心します。
しかも、目標額に達しなければ支援額を一切得られないというall or nothing型であれば、募集期間が短い場合はなおさらプレッシャーがかかってきます。おそらく、もう少し時間的余裕を持てれば、あるいはall in型(目標額に達することかどうかに関わらず支援金を得られる)であれば、支援額をより低く設定し、コツコツ支援者を募り、じっくりプロジェクトを実施していったと思います。そう考えると、そもそもクラファンに応募する時期が遅かったのかも知れません。しかし、イベントを開催する準備等などを勘案すると、今しか応募時期はなかったようにも思います。
(3)参加費との兼ね合い
『たねプロ』のエピソード1は、ゲストをお招きした鼎談です。諏訪にルーツを持つお二人の建築家、伊東豊雄さんと藤森照信さんをお招きし、7月19日(土)に長野県の茅野市で開催します。今回、クラファンに初めて挑戦したのは、このイベントそのものに対するご支援ではなく、このイベントに参加する諏訪在住の学生や諏訪の外から参加したいと思う学生の参加費や宿泊費などの諸経費を支援していただきたいという思いからです。諏訪での学びを通じて、諏訪内外の学生同士や住民との交流が生まれればという願いがあります。
このイベントの参加費は、オンライン参加3,300円、前売券7,700円、当日券8,800円でHomeTownNoteというサイトの公式ページで販売しております。こうした参加費をベースにレディーフォーのクラファンでは、スカラシップ(奨学制度)プランを加味して支援をお願いすることにいました。そのため、悩ましいところなのですが、支援額のスタートを1万円からに設定した次第です。なかなか参加費以下でのスタートラインは設定しづらかったというのが本音です。
しかしながら、これから支援をしようと思っているレディフォーの会員の皆様からすると、金額を見ただけでどうしても気持ちが削がれしまい、そもそも自分の支援の範囲を超えてしまっている、あるいは、どこかプロジェクト実行者の言い訳のように聞こえてしまう、ということもあるかもしれません。そうであれば本当に申し訳ございません。支援額ひとつを決めることにしても、様々な要素が絡み合い判断するのは難しいことなのだなと改めて思っております。
これが正解という解答はないのかも知れませんが、今回のプロジェクトでは支援額を1万円から設定したその背景や理由を少しでも汲み取ってくだされば幸いです。
そういった意味において、昨日(6月19日)、最初の支援者が現れたことは、励みであり、顔は見えなくとも不思議と気持ちが通じたようにも感じられ、嬉しく思っております。
コップに半分残った水を、「もう、これしかない」と思うか、「まだ、半分もある」と思うかは人それぞれですが、自分は後者でありたいと思っています。
ご支援のほど、よろしくお願いします。(由井)
https://readyfor.jp/projects/tanepro1