地域 神奈川県川崎市宮前区

【20250518】一枚の畑から

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植物・農作物

令和(2019〜)

一か月振りの一枚の畑

皆で種を持ち寄った前回の活動から約一か月、私はこの期間育苗の様子を見に来ることができなかったので、期待に胸を膨らませて「一枚の畑」を訪れた。久しぶりの畑はよりいっそう緑が増えていて、植物の声がどこからか聞こえてきそうなほどに賑やかだった。秋・冬を経て、昨年の八月に私が初めてこの場所を訪れた時の畑の姿が、徐々に戻ってきている。毎月この畑を訪れることによって、一年を通してめぐり、生きる自然と肌で触れ合えているような気がして、少し嬉しくなった。

 

新メンバー

今回、学年が一つ下のゼミ生が「一枚の畑から」の活動に参加してくれた。当初(昨年の夏)は先輩方の活動に参加させてもらっているという心持ちであったが、回数を重ねるごとに同期のメンバーが増えていき、とうとう後輩を迎え入れることとなった。実を言うと、同期の畑メンバー四人が揃うのも今回が初めてで、目には見えなくとも、確実に〈場〉ができつつあるのを目の当たりにした。また、自分自身に〈この活動を作っていく、そして伝えていく一人〉という感覚が既に芽生えていることに、今回の活動を通して気づかされた。そして、この畑が、〈行く〉場所というだけでなく、〈戻る〉場所・〈集う〉場所にもなりつつあるということを感じた。

 

そらまめ

人生でこんなにも「蚕豆(そらまめ)」と正面から向き合ったことがあっただろうか。

黒い筋を割くと、真っ白でふかふかのベッド。蚕豆は淡い緑色をしていて、気持ちよさそうに寝ている(豆は左右交互についている)。畑には二種類の蚕豆が植わっていて、一つは一般的な緑色、もう一つは赤色だ。赤いのは皮だけで、皮を剥いだ中は緑色なのだそう。お昼には、梅干しで炊き、そらまめをのせたご飯を用意していただいた。つやつやと輝くそらまめは食べるのが惜しいほど美しいが、空腹に打ち勝つことはできず、ありがたくいただく。春と初夏の味。とても美味しい。前回から、その日の活動の終わりに振り返りの動画を撮影しているのだが、今回は皆で収穫した蚕豆をマイクに見立てて話した。一時間ほど握りしめていたおかげで、蚕豆の触り心地が自分の手に染み付く始末であった。

 

めげずに植える

前回植えた種たちの中で、畑に移すことができるほど育ったものはほとんど無かった。水分を含みすぎて、葉が黄色く変色してしまったり、土がぼそぼそになってしまったりしていた。〈畑の土/コンポスト/籾殻燻炭〉の配分は正解がなく難しいと聞いていたが、予想以上に上手くいかず、驚いた。自分の手で植えたものが育たないのは悲しいが、それだけ自然を扱うのは困難であるということなのだ。畑には生き残っていたサラダミックスと、市販のトマトとナスの苗、そしてナスとオクラ、大豆の種を直播きした。ここでめげてはいけない。これまで以上に、「大きくなあれ」と皆で念を送った。

 

支柱の立て方

トマトとナスは大きく育つので、倒れないように支柱を立てる。地面に対して垂直に立てると思いきや、根を邪魔しないように、斜め(45度くらい)に立てる。紐で八の字に茎と支柱をくくり付けて、ほどけにくく、ほどけやすい(矛盾、、)結び目を作る。支柱を外す時に作業がしやすいよう、ほどけやすさも大切なのだ。

 

本日のごはん

今回のごはんの中での私の一推しは、油揚げコロッケ。畑から戻ると、机の上に、何かが詰められた油揚げがずらりと並んでいた。わあ、という黄色い歓声と同時に、何が入っているんだろう?という声が上がる。コロッケと言われたが、半信半疑で一口。これは、、、コロッケだ!単にじゃがいもが詰められているわけではなく、油揚げがちょうど衣の代わりになって、味わいはほとんどコロッケと変わらない。揚げ物を家で作るとなると少々面倒だが、これならフライパンさえあれば作ることができる。今度家でも作ってみよう♪

 

映像を観てみよう

お昼ごはんの後は、前回と今回で撮影した映像を鑑賞した。自分が実際に土に触れて種を蒔いているのと、その様子を客観的に映像として観るのでは、何か違う感覚が芽生えた。特に、四人が並んでオクラを植えている様子は、自分が当事者となって畑にいるときとは見え方や感じ方が異なり、とても面白かった。畑にいる時は、自分⇔土の関わりを強く感じていたけれど、映像にしてみると、皆で時間と空間、そしてオクラが元気に育ってほしいという願いを共有しながら植えている様子に意識が向いた。

 

振り返り

「一枚の畑から」恒例、カメラの前で振り返りタイム。〈この1か月を経て、どんな心持ちで今日を迎えたか〉、〈10年後、自分はどうなっていると思うか〉ということなどを皆で話した。考えることは好きだけれども、改まって自分が何を考えているかを話したり、他のメンバーが考えていることを聞いたりする機会が頻繁にあるわけではないので、新鮮で貴重な時間である。映像にも残っているということで、何年後かに見るかもしれないと思いながら、タイムカプセルを埋めるような気持ちで話した。

 

中村日南

写真

そらまめ&梅ごはん
油揚げコロッケ
私たちの畑のはじまり
これもまた学び
2025/05/22

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