私記

二つの映画の感想を合わせると…

古文書・映像

オオカミの護符 秋田市 武蔵御嶽神社 うつし世の静寂に

武蔵御嶽神社を囲む奥多摩の山々(写真 上)

 

最近開催された映画会に寄せて頂いた感想をまとめておきたいと思います。「オオカミの護符」と「うつし世の静寂に」という映画は今から10年以上前に制作された作品ですが、最近よく思うのは、映画の内容は全く変わりようがないのに(当たり前ですよね)、なぜこんなにも観る人の受け止め方が昔と今で違うのだろうということです。きっと私たちの考え方や生き方が随分変わってきているのではないかと思うのです。

 

これまでのように前に前に、外へ外へという意識では見えなかったものが、一旦立ち止まり、周りや後ろをじっくり眺め、足元を掘り下げることで意外に大切なものがあると感じ始めている人が思いのほか多くいるのではないでしょうか。特に秋田での映画会では大学生や社会で働き始めた世代がしっかりとそこに眼差しを注ぎ、新たな価値観を発見しようと探索し、同じ思いを共有できる人たちと出会い、決して急がず「小さく」届けようと表現し始めているように思います。私はそのことに希望を感じています。なぜならば、昔を振り返ることなしに未来は描けず、足元を掘り下げることをせずに普遍的な世界観には到達し得ないと思うからです。私たちの映画や本などの作品が少しでもその橋渡しになれば嬉しいです。なおご感想は筆者の意図を損なうことが無いよう配慮し、一部、編集、加筆など手を加えております。

 

 

 

オリジナル版「オオカミの護符」映画会
大口真神式年祭(2023.4.15・武蔵御嶽神社)

 

今まで感心が薄かったオオカミの護符ですが、昔から人々の生活と共に信仰されてきたことがわかりました。そして今でも代々に引き継がれて守られている事にとても有り難く思います。今はニホンオオカミが絶滅してしまっていますが、このような形でオオカミの護符が祀られていることに感謝しています。今回、このような映画を見られてとても心が穏やかになりました。

(50代女性 埼玉県桶川市)

 

おいぬさまについて興味深く紹介されていてとても楽しめました。地域の振興にも詳しく、愛情を持って撮られているのが良かったです。これは地元でおいぬさまを信仰されている方がだからこそ(映画を)作ることができたのだろうなと思いました。

(50代女性 東京都世田谷区)

 

この度は、オリジナルバージョンでの上映をありがとうございました。本で読んでいましたが、映像の方がやはり頭に残り大変良かったです。ドキュメント映画が少ない中ですが、このような機会をいただきありがとうございました。

(50代男性 東京都小金井市)

 

人々とオオカミの関係が興味深かったです。昔の人々にとっては食べることが今よりもっと大変なことで、それを守ってくれるオオカミは恐れながら敬う対象だったのですね。もう一度、ゆっくりお札を見て、人々とオオカミの関わりを考えたいと思います。

(30代女性 東京都青梅市)

 

武蔵野の古民家を調査している時に、しばしば「オイヌサマ」のお札を目にしていました。そのいわれが判ればとの思いで映画会に参加しました。いい映画でした。信仰というものが日本に生き続けていることを目の当たりにし、判りました。NHKなどの記録映像では信仰の面をぼかしている印象を受けていたのですが、本当の信仰の姿が判ったのが良かったと思います。もっともっと映像表現を続けていただきたいと思います。

(東京都中野区)

 

 

アカデミック版(短縮版)「うつし世の静寂に」映画会
(2023.4.22 秋田市文化創造館)

 

「講」という概念になじみがなかっため、後のトークで整理され、視点がひらけて納得をした。めぐり念仏(巡り地蔵)による地域の繋がり方が非常に興味深く、また神仏が生活の中に自然に受容されていることが共同体をかたちづくっていることもおもしろく感じた。その一方で講で掲げられる掛け軸には戦争の資金提供や物資の献納に対する当時の政府からの感謝状が付け加えてられていることにショックを受けた。実際に講を続けておられる方々が今、どう思っているのか気になった。

(20代女性 秋田県秋田市)

 

風土と人々の暮らしの間にあったのが「講」であり、「神さま」であったと感じました。近年グローバル化と言われてて久しく、世界は「横」に広がっていると思いがちです。しかし、「井の中の蛙大海を知らず。されど空の深さを知る。」というように、ほんとうの意味での「世界」は私たちの頭の上から、足の下にある土の奥底までを含む「縦」に広がっているのだと、上映会を観て改めて実感しました。私だから見える「縦の世界」を大切に、ひとつでも多くのことをおじいから学んでいきたいと思います。

(20代女性 秋田県秋田市)

 

難しく、少し分かりにくい部分もありましたが、監督さんの補足があり、納得することができました。私は「講」というものを初めて知りました。歴史の授業でさらりと習った程度だと思います。人々の繋がりが薄い今の時代に取り戻そうとすること、つながりの大切さを再発見するような動きが起きていることを感じさせてくれる映画を鑑賞することができ、喜びを感じています。

(20代女性 秋田県秋田市)

 

私は東京都町田市の出身で3年前にオオカミの護符の映画を知ってから毎年、武蔵御嶽神社に行くようになりました。両親とも町田市の出身というわけではなかったので、私自身10年以上町田に住んでいるのに、どこか自分と町田は切り離されているように感じていたので自分が住んでいた地域の近くに「時間の流れ」を感じられてすごく嬉しかったです。

(20代女性 秋田県秋田市)

 

実家も福井の農家で、集落には大火勢(おおがせ)という風習があり、つながりの役割をになっており、非常に懐かしく感じ、温かい気持ちになりました。

(40代男性 秋田県秋田市)

 

土地と人のつながり、神と人のつながり、人と人のつながりが見える作品でした。隣人との関わりと同じように神仏との関わりがあり、人を取り巻く自然というか環境というか、もっと大きなものとの関わりがかつてはもっともっと、日常の中にあり、実は今でも同じようにあるはずと感じました。

(50代男性 秋田県秋田市)

 

子供の頃から地元で行われている行事がこのような意味があり、地域を結びつけているということを考えらせられる映像でした。とても身近な風習が川崎という都市にもまだ残っていることに驚きました。かやぶき屋根の家とその背後にあるマンションとの対比が印象的でした。シネマセッションではとても興味深いお話を聞かせていただきました。「オオカミの護符」の本も読んでみたいと思います。

(50代女性 秋田県秋田市)

 

子供の頃に日常的に行われていた行事や物事が映画に描かれていて懐かしく感じました。最も感銘を受けたのは、こういった映画やシンポジウムに若い方がたくさん入場され、関心を寄せておられることです。自分にとっては子供の頃の当たり前の情景が、新鮮なものとして受け止められていることに驚きました。人口減少でこういった行事そのものが失われつつある今、再生への芽が確かに動き始めていると感じました。

(60代男性 秋田県大仙市)

 

映画はフルバージョンで見たかったです。また、「オオカミの護符」と本作の連続上映であればより理解が深まったのではないかとも思います。実は蛇・龍・水をめぐる信仰に興味がありますので、「ものがたりをめぐる物語」も是非見たいです。小倉さん、由井さん、学長(国際教養大学学長モンテ・カセム)さん、もちろん長谷山(国際教養大学職員・映画会主催者)さんともゆっくりお話ししたかったと思いました。そういう機会をもうけていただければ幸いです。

(男性 秋田県湯沢市)

 

写真

武蔵御嶽神社 社殿
映画会の会場|秋田市創造館
久保田城の城内にある。
久保田城の外堀
2023/04/27 (最終更新:2023/04/28)

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由井 英さんの投稿

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