半年も前のことになりますが、地域の記録をためたいと思います。
静岡県静岡市葵区梅ヶ島。安部川の源流付近に位置する山深い集落。ここに江戸から続く林業家があります。鈴木林業です。私の所属する研究室では年に1~2回ほど伊東さの子さんをコーディネーターに、鈴木林業さんの指導のもと「植林」をしにワークキャンプを行っています。毎回、植林場所も、樹種も異なります。斜面に這いつくばって、ゴロゴロした岩を掘りながら…。植林は、山の仕事とは何なのかというフィールドワークへの入口でもあります。私は今年の植林ワークキャンプ(2026年5月2日~4日)の1か月前に、梅ヶ島を訪ね、コーディネーター・伊東さの子さんにお世話になりながら、2026年4月1日から4日の4日間、植林のための苗木の育苗準備を行いました。その様子を写真から振り返り、ログを貯めたいと思います。
①土の準備
まずは育苗用の土をセルポッドに充填する作業。ブルーシートに出した土を2人がかりで充填し、一度押しつぶしたら、さらに充填します。最後に苗を入れる穴を空けておく。ここは体力が必要。
②〜④ヒノキ苗の育苗
今回は来年、再来年に植樹するためのヒノキの苗を5×8のセルに一本ずつ定植させる作業です。苗は長野の育苗会社から買っていると聞きます。大体手のひらサイズの細いヒノキの苗をピンセットでつまみながら、根を傷つけないように土に入れていく。苗は「白根」という新しい根がすでに張りだしていて、その生きた根が土と活着するように、指の腹でギュッと上から圧力をかけます。苗にも向きがあって、裏と表が同じ方向を向くように注意します。これは植林する時の作業効率を考えてのことだと伺いました。鈴木英元さんは「土の中を想像しながらやる、(林業は)“こうかもしれない”の想像が技となり、それが連続して仕事となる」とおっしゃっていました。育苗も、土の中を想像しながら、根の気持ちを考えて…。
梅ヶ島での暮らしは、農と林業を中心にして成り立っていて、お茶業(農)での体力が森で生かされ、農の時間が、林業への思考法に繋がっているのだと感じました。何十年先も想像しながら仕事を行う林業。農による一年サイクルの循環的思考があるから、鈴木林業は苗木から伐採までを一貫して担う林業スタイルなのだと思いました。農の時間の積み重ねが、森林の時間に繋がっている、だから未来への希望を森に貯められるのだと、教えていただきました。
1万本の苗づくり!達成!
⑤伊東さの子さん
静岡大学時代に梅ヶ島に通い、地域のなかに入りながら研究をしたことから、ここに移住し、鈴木林業で仕事をしながら森と農の時間を考えているという。植林ワークキャンプをコーディネートしながら、「開かれた森に時間をためる」ことの意味を問います。地域のお祭りで、遊びで、何より仕事で、信頼されている様子に、さの子さんがこの土地でためてきた時間を感じました。
⑥〜⑧春の梅ヶ島と鈴木家の食卓
朝晩は肌寒く、宿泊していた大戸研修所では火を焚かずしてはいられません。日中の日差しは温かく、鈴木家の食卓からみえる竹林としだれ桜の風景は見事です。外からは菜の花の鮮やかさが明るい春の訪れを思わせます。薪ストーブで暖められた室内で、いただくご飯。いうまでもなく美味しい。この「味」が、日々の仕事を支えているということがコンテクストとして、しかし目を向けなければならない事項として浮かび上がってくるのです。家族で「業」をするそのかたちを、勉強させていただいた時間でした。
さの子さん、鈴木林業のみなさまお世話になりました!また伺います。
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・鈴木林業Instagram
https://www.instagram.com/suzuki_ringyo?stkn=MXF6OGltNzllM2NzaQ==
・植林ワークキャンプキャンプについて
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時を旅する 多摩丘陵 明治元年~|土曜日の会 第6話
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ものがたりをめぐる物語