本編は、「未知なる原風景へ」の後編 (Ep.1 Shade) です。
前編 (Ep.1 Glow)をご覧になっていない方は、本文の下のyoutubeにて公開しておりますので、最初からご覧になることをお勧めします。
「競い合うことを超えて」
小学生時代、競争や管理された環境に違和感を覚え、文学や音楽に「逃げ道」を見出していた高原さん。化石を見つけようと道端の赤土を掘り続けたという幼少期の記憶は、やがて立川の米軍基地問題や砂川闘争という、アスファルトの下に眠る歴史との再会へと昇華していきます。
本対談の最大の魅力は、私鉄沿線の都市開発や水俣病といった一見異なる事象を、「近代とは何か」という共通の枠組みで捉え直している点にあります。また、極限の戦争を経験した世代のトラウマが、戦後、社会をゼロから作り直せるという幻想を抱かせ、猛烈な「開発」へと駆り立て、現代の私たちが抱える「個人主義化と忘却」を生み出したのではないか、という見解を歴史家・色川大吉の視座を交えながら語るその考察は、非常にスリリングです。
「あの開発は何だったのか」——安易に答えを急ぐのではなく、その問いそのものを持ち続けることの重要性を私たちに投げかける、深く胸に響く対談録です。
00:00 オープニング:競い合う教室から、地層の奥底へ
00:47 神社裏、関東ローム層を穿つ指先
03:01 砂川闘争:カッポウギ姿のお母さんと、交差する二つの記憶
08:35 色川大吉を巡り、民衆の静かな熱を複写する
11:17 赤茶色の水の記憶:奪われた風景への鎮魂歌
16:16 戦争への「出征」と戦後の「開発」:かつて異郷を拓いた手で、故郷を塗り替える
20:27 「問い」を埋め直す:未来の誰かに手渡すパッケージ
22:52 あなたにとって、未知なる原風景とは?
話し手:高原太一|成城大学グローカル研究センター ポストドクター研究員
聞き手:小倉美恵子|「オオカミの護符」「諏訪式。」著者
撮影:宮澤信也
柑橘収穫・SW:松田理沙|明治大学大学院 政治経済学研究科
構成・編集:由井 英
企画制作:ささらプロダクション
“建てもの” の 向こう側には 諏訪 がある
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ものがたりをめぐる物語